市川建築

愛知県で建築業を営んでます

人工木濡縁

お部屋から庭に出る、掃き出しサッシの所に取り付けてある濡縁(ぬれえん)の作り替えになります。

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なかなか立派な物だと思います。米ヒバと言うヒノキ科の木材で、少し独特の臭いがありますが、水に強く見た目も綺麗で社寺建築にも使われる木材が使われています。

一部腐っているので、今度は腐らない物がいい。とのご要望です。

なので、使用するすべての材料(縁板、板を受ける掛け、束柱、框)を木材以外で制作してみます。

まずは框。(手前にある縁板を支える横向きの木です)もともとの束柱の位置にあるコンクリートは、そのまま利用するとして全体の長さは約4mあり、中央に束柱がくるので2m分の荷重に耐えれる物を選びます。人工木の框では、不安なので錆にも強いアルミの角材を使います。大きさは10cm角。これだけあれば大丈夫。

続いては壁際で縁板を支える掛け。

建物の基礎の上に敷いてある土台に留めて上からの荷重、そして縁板を框と繋いで動かないようにする役目があります。

選んだものはこんなの

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土台にビスで留めるので、L型でも十分支えられます。

お次は束柱です。人が数人座ればかなりの重量になるので、丈夫な物にします。

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高さの調整ができ、対荷重も十分です。

下のコンクリートには振動ドリルと言う工具で穴を開け、コンクリートにも留めれるビスで固定していきます。

框、掛けを取り付けたら縁板を留めていきます。

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順番に1枚づつ留めていき板の正面木口に蓋をして穴を塞ぎ、両サイドには幕板を取り付けて完成です。

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使用した縁板はこんなの